保健福祉委員会< H25.11.5 >

○花崎委員
子宮頚がんワクチンは、平成22年10月にワクチン接種緊急促進事業として公費負担による接種が開始され、国では接種拡大を図ってきたところであります。

本年4月からは予防接種法の改正により、定期接種化されました。
しかし、ワクチン接種を受けた人の中から、痛みやしびれなど、ワクチン接種との因果関係が否定できない事例が発生しています。
そのため、国は6月に専門家の意見を聞いた上で、ワクチンを接種するようにという積極的な勧奨を差し控える措置をとったところであります。

道内においても、ワクチン接種の副反応に苦しんでいる女性がいると承知しております。
そこで、以下、何点かお伺いいたします。

最初に副反応の状況についてであります。
子宮頚がんワクチンによる副反応と思われる事案が起こった場合、従来は厚生労働省に報告される仕組みになっております。

その報告内容からは患者の住所等がわからなかったため、道内に該当者が何人いるのかなど、詳細を把握することができなかったということであります。
しかし、本年4月以降、子宮頚がんワクチンがいわゆる法定接種となったことに伴い、道内の事案については医療機関から道に報告されるようになり、保健福祉部で全体が把握できるようになったと承知しております。

4月以降、道内における副反応と思われる事案の件数はどうなっているのか、また、主な症状はどのようなものかお伺いいたします。

○三井委員長
地域保健課長江上洋行君。

○江上地域保健課長
副反応についてでございますが、本年4月の予防接種法の改正によりまして、厚生労働省は、医療機関から報告のあった副反応の内容について、都道府県に通知することとされたところでございます。

現在まで道内の副反応については11件となっておりますが、その主な症状は、倦怠感、筋力低下、底痛、発熱、頭痛などとなっており、重いものとして、呼吸困難なども報告されているところでございます。

○花崎委員
次に、任意接種時の副反応件数についてお伺いいたします。
子宮頚がんワクチンについては先ほど申し上げたとおり、平成22年10月から本年3月まで、ワクチン接種緊急促進事業において任意接種として実施されていたところでありますが、その期間における道内の副反応と思われる事案の件数はどのようになっているのかお伺いいたします。

○江上地域保健課長
任意接種時の副反応件数についてでございますが、本年3月までの副反応報告につきましては、国のワクチン接種緊急促進事業実施要領に基づきまして、医療機関が直接、厚生労働省に報告する仕組みと、薬事法に基づき、医薬品製造販売業者が独立行政法人医薬品医療機器総合機構を経由して報告する仕組みがありますが、いずれも都道府県に報告されない取り扱いとなっていたところでございます。

このため、国に対し道内分の副反応件数を照会した結果、住所の記載がないなどの理由により都道府県ごとに件数を算出することができない旨の回答がありましたことから、道では、6月に市町村に対し調査を行ったところでございます。

その結果、26の市町村が医療機関から副反応報告を独自に受ける取り扱いとしており、そのうち、副反応の報告があったものは17市町でお件と承知しております。

○花崎委員
次に、健康被害救済制度の周知についてでありますが、不幸にして予防接種により副反応が生じた場合、国による救済制度があると承知しておりますが、道民に対してどのように周知しているのかお伺いいたします。

○江上地域保健課長
健康被害救済制度についてでございますが、ワクチン接種により健康被害が発生した場合は、国の認定のもと、市町村や独立行政法人医薬品医療機器総合機構が救済を行うこととされており、道では、これまでこの救済制度についてホームページに掲載してきたところでございます。

今般、子宮頚がんワクチンの副反応事例の発生を踏まえ、リーフレットを市町村に配付し、道民への周知を図るとともに、公益財団法人予防接種リサーチセンターが主催する予防接種従事者研修会への市町村職員の参加を促し、救済制度に対する理解を深めてもらうよう取り組んだところでご、ざいます。

今後、関係機関において、円滑な救済制度の運用が図られるよう国や市町村と連携を図るととともに、市町村広報誌の活用を働きかけるなどいたしまして、道民に対する救済制度の一層の周知に取り組んでまいりたいと考えております。

○花崎委員
次に相談対応等についてでありますが、副反応が生じた方からの相談について、道ではどのように対応しているのかお伺いいたします。

○江上地域保健課長
相談対応についてでございますが、副反応により健康被害が生じた方からの相談に関しましては、保健所の相談窓口において、保健師などが症状に応じ必要な診療科を紹介するほか、予防接種法に基づく健康被害の救済制度に関しまして、制度の概要を説明するとともに、給付申請に当たっては、窓口である居住地の市町村に相談するよう助言するなど、必要な対応を行っているところでございます。

また、子宮頚がんワクチンの副反応事例の発生を踏まえ、本年9月に札幌医科大学附属病院に「痛みセンター」が設置されたところであり、痛みやしびれ等の症状が持続しているなどの訴えがある場合には、この「痛みセンター」への受診を勧めることとしております。

○花崎委員
次に教育庁との連携についてでありますが、子宮頚がんワクチンの定期接種対象者は小学6年生から高校l年生までとなっていることから、副反応の発生状況などについては教育庁と情報共有し、必要に応じて連携して対応することが重要であると考えますが、道の考えをお伺いいたします。

○三井委員長
保健福祉部長高田久君。

○高田保健福祉部長
教育庁との連携についてでございますが、道といたしましては、子宮頚がんワクチンの接種により健康被害が生じた生徒につきまして、心身の状態、に応じ学習面を含め、学校生活のさまざまな面で適切に配慮していただくことが必要と考えております。

このため、報告のございました副反応の内容につきまして、教育庁に情報提供しているところでございまして、文部科学省においても昨年度におけるワクチン接種に関連した欠席等の状況を調査したところでございます。

今後におきましでも、適時情報提供を行いますほか、保健所の相談対応において、学校における支援等の要望があった場合などには、教育庁などと情報交換を行いまして、対応を協議する場を設定するなど、生徒が安心して療養や学校生活を送れるよう取り組んでまいりたいと考えております。

○花崎委員
同僚議員からは、道内でも相当重症な症状を訴えているお子さんがいらっしゃると伺っております。
先ほど保健所で相談対応をしている旨の答弁がありましたが、こうした方々に対しては、きめの細かい相談対応が必要であります。

このことを十分踏まえた取り組みをお願いしておきたいと思います。
次の質問に移ります。

医療施設の防火対策についてですが、先月11 日、福岡県福岡市内にある有床診療所で火災が発生し、入院患者8名と同診療所に住んでいた元院長夫妻の計10名が死亡しました。

多数の入院患者が負傷するという大変痛ましい事故が発生しております。

この診療所では消防法で定められた避難訓練が実施されていなかったり、建築基準法の規定で設置されていた防火扉の開閉点検を行っていなかったことなど、さまざまな問題点が指摘されております。

医療施設における防火安全対策に関しては、日ごろからの防火体制や万が一火災が発生した場合の消火・避難・通報体制を確立しておくことが重要と考えますが、道内の有床診療所の状況について以下数点伺ってまいります。

福岡の事案は入院の設備を有する診療所で起きた火災事故でありますが、道内にはこうした入院設備のある病院及び診療所がどれくらいあるのかお伺いいたします。

また、病院と有床診療所に対じては、保健福祉部が医療法に基づく立入検査を実施していると承知していますが、その実施状況についてお伺いいたします。

○三井委員長
薬務担当課長遠藤隆司君。

○遠藤薬務担当課長
入院設備のある医療施設数などについてでございますが、病院は20床以上の入院設備がある施設で、診療所は19床以下の入院設備のある有床診療所と入院設備がない無床診療所に分けられますが、本年10月1日現在、病院は575施設、有床診療所は484施設となっております。

また、医療法に基づく立入検査については、道及び保健所設置市におきまして、全ての病院に対して、国の要綱に基づき年1回以上実施するとともに、有床診療所については施設規模等を勘案して、計画的に実施しているところであり、過去3年間における有床診療所に対する実施状況は、平成22年度は40.8%、23年度は26.7%、24年度は23.7%となっているところでございます。

○花崎委員
国では、今回の福岡の有床診療所の火災を受けて医療施設における防火・防災安全体制の徹底及び点検について通知を発出しておりますが、道ではこれまでどのような対策を行ってきたのかお伺いいたします。

○遠藤薬務担当課長
これまでの取り組みについてでございますが、道では、去る10月11日に発生しました福岡県の診療所火災を受け、同日付で道内の医療施設に対し、防火体制や万一火災が発生した場合の消火、避難、通報体制の確保等について再点検を行い、防火安全対策に万全を期すよう、文書で注意喚起を行ったところでございます。

また、10月17日付で今後の対策に活用するため、有床診療所における防火設備の設置や消防計画の策定状況、夜間の職員体制等に関する調査票を発出したところでございます。

さらに、厚生労働省から、特にスプリンクラーの設置義務が課されていない有床診療所等に対し、防火対策を周知徹底するよう通知がありましたことから、10月22日に道立保
健所に対し消防機関や建築部局と連携し、本年12月末までに有床診療所等に対する立ち入りによる指導を実施するよう指示したところでご、ざいます。

○花崎委員
ただいまの答弁によりますと、道では、有床診療所に対し防火体制の状況について調査を行ってわるとのことでありますが、その結果はどうだったのかお伺いいたします。

○遠藤薬務担当課長
有床診療所の防火体制に関する調査結果についてでございますが、道では、ただいま申し上げましたとおり、有床診療所における防火体制の現状を把握し、今後の対策に活用するため、10月17日付で484施設を対象に調査を行い、休止中や入院患者を受け入れていない施設を除く290施設の状況を取りまとめ、その後、関係部に対して情報提供を行ったところでございます。

その結果、防火設備の設置状況につきましては、消防法による設備ごとの設置基準に基づき、誘導灯及び消火器具は全ての施設に設置され、自動火災報知器は287施設99%、非常用照明は283施設で97.6%、消防機関に自動通報を行う火災通報設備は191施設65.9%となっております。

スプリンクラーについては、延べ床面積が6000平方メートル以上の施設に設置が義務づけられているところでありますが、その設置状況は、設置義務のある3施設全てに設置されていたほか、義務のない施設についてもおカ所で設置されていたところであり、全体としては31施設で10.7%となってございます。

また、消防計画を策定している施設は279施設で96.2%となっており、夜間の職員体制につきましては、1名配置が140施設で48.3%、2名以上の配置が150施設で51.7%となっております。

○花崎委員
今回の福岡の有床診療所火災の教訓、並びにただいま答弁のありました道の調査結果から見て、有床診療所における防火体制について道ではどのような課題があると考えているのか所見をお伺いいたします。

遠藤薬務担当課長有床診療所の防火体制の課題についてでございますが、今回の調査におきまして、有床診療所からの意見として、高齢の入院患者が多い施設においては、火災の発生や被害の拡大を防止する上で、スフリンクラ一等の消防設備の整備や夜間の職員配置を含めた応急体制の強化が必要と考えますが、多額の経費がかかり、経営を圧迫するとの意見が多くあり、道といたしましでも、こうした課題への対応が重要と考えているところでございます。

○花崎委員
医療施設に関する防火関係の規定は、消防法、建築基準法及び医療法の三つの法律で定められたものがあり、道庁においても別々の部署が所管していると承知しております。

今回の事案では、防火扉は建築基準法で設置されているものでありますから、その動作確認などは消防の査察の対象外であるとして指摘がされていないなどの問題点が明らかになったところであります。

こうしたことを防ぐ上でも、それぞれの法律を所管する部署聞が連携レ情報共有を行うことが重要ですが、その対応状況についてお伺いいたします。

○三井委員長
医療政策局長田中宏之君。

○田中医療政策局長
関係部局との連携についてでございますが、医療施設における防火安全対策を徹底するためには、医療法を所管する当部と、消防法や建築基準法を所管する関係部が連携して取り組むことが重要と認識をしているところでございます。

このため、10月22日に保健福祉部、総務部、建設部の関係課によります医療施設の防火安全対策に関する連絡会議を設置し、24 日に第1回目の連絡会議を開催し、振興局の保健所、建設指導課のほか、消防機関の立入検査の方針などにつきまして、相互に確認するとともに、今後、必要に応じて、合同の立入検査を実施するなど、関係機関が連携して、改めて防火安全対策に万全を期すこととしたところでございます。

○花崎委員
福岡の診療所はスプリンクラーが設置されておらず、初期消火に支障を来したことが明らかになっております。

消防法によると延べ床面積が6000平方メートルを超える診療所に対しては、スプリンクラーの設置義務があるものの、福岡の診療所を含め、ほとんどの診療所ではこの基準に該当せず、スプリンクラーの設置義務がありません。

私としては、スプリンクラーは初期消火に重要な役割を果たす設備であることから、設置すべきと考えますが、これには相当な経費がかかるものと聞いております。

高齢者など自力での避難が困難な患者さんが入院している医療施設における防火対策は、道民の命にかかわる問題であり、こうしたスプリンクラー設備の充実はもちろん、消火、避難、通報体制の徹底を図っていく必要があると考えます。

道として、今後どのように取り組むのかお伺いいたします。

○高田保健福祉部長
今後の取り組みについてでございますが、有床診療所は地域住民にとりまして身近な入院施設であり、地域医療を確保する上で重要な役割を果たしており、こうした施設における防火安全対策は、極めて重要と考えております。

国におきましては、今般の診療所火災を受けまして、総務省消防庁が厚生労働省や国土交通省と連携し、学識経験者や病院関係者等によります有床診療所火災対策検討部会を設置いたしまして、消防法等による規制の総合的な点検や防火対策のあり方が検討されているところでございます。

道といたしましては、こうした国の動向を注視し、必要に応じて、消防設備の整備に対する財政措置を国に要望するとともに、関係部局が連携を一層密にして、立入検査や指導・助言などを行い、有床診療所における防火体制や消火、避難、通報体制のさらなる徹底に努めてまいりたいと考えております。

○花崎委員
いろいろと道内の医療施設の防火対策状況について伺ってきましたが、今回の事案をお聞きして、道内でも3年前に札幌市北区のグループホームで7人の高齢者が犠牲になるという大変痛ましい火災が発生したことが思い出されます。

また、官頭にも申し上げましたが、福岡の事案では、通報や初期消火がおくれるなど、いろいろと問題点があったことも明らかになっております。これらを教訓として道内の診療所についても、設備や避難に問題がないか、この際、徹底的に見直すことが大事だと考えます。
今、部長から、関係部局の連携のもとで、防火安全対策を徹底するとの答弁がありました。

道の調査に対して、スフリンクラー設置に要する経費の負担が課題であるという趣旨の回答を寄せた施設があったということですが、経営面からは極めて大きな課題であり、行政からの財政措置が不可欠であると考えます。

部長から、財政措置を国に要望するとの答弁がありましたが、実現に向け最大限の努力を払っていただきたいと強くお願い申し上げます。

これからの季節、本道は暖房機器を使用する生活になります。ニうした痛ましい事故が二度と起こることのないよう、道には防火安全体制の構築に向け、一層の指導徹底をお願いして、私の質問を終わります。