保健福祉委員会< H25.11.27 >

○花崎委員
私のほうから日本脳炎の予防接種について質問をさせていただきます。
日本脳炎の予防接種は、予防接種法のA類疾病に定められており、全国的に予防接種が行われておりますが、北海道だけが実施していないと承知しております。

しかしながら、近年では、旅行のほか転勤などさまざまな理由で道外に転出するケースは多くなってきております。予防接種を受けていない道民の方々が、日本脳炎に感染する可能性は否定できないと考えます。

また、日本脳炎の予防接種は、3歳、4歳、9歳でそれぞれ接種を受けていますが、対象年齢の途中で道外から北海道に転居してきた場合、本州にいれば定期接種扱いにより無料で接種できたものが、定期接種を行っていない道内では任意接種扱いとなるため、自己負担が発生するなどの問題も指摘されているところであります。

そこで、以下、何点かお伺いいたします。

まず初めに、国内及び道内における日本脳炎の発生状況がどのようになっているのかお伺いいたします。

○三井委員長
地域保健課長江上洋行君。

○江上地域保健課長
日本脳炎の発生状況についてでございますが、国内におきましでは、昭和25年に5000人を超える患者が発生いたしましたが、その後、急激に減少し、平成15年から24年までの10年間におけます患者数は毎年10名以下となっておりまして、患者の発生地域も関東地方以西となっているところでございます。

なお、道内におきましては、昭和46年以降発生が見られない状況にございます。

○花崎委員次に、勧奨の差し控えについてでありますが、日本脳炎のワクチン接種は定期接種化された後、一時積極的勧奨の差し控えを行っていたと承知しておりますが、それはどのような経過であったのかお伺いいたじます。

○江上地域保健課長
積極的勧奨を差し控えた経過についてでござ、いますが、日本脳炎のワクチンについては、マウス脳由来ワクチンの使用により、頭痛、幅吐、意識障害などを症状といたします重症の急性散在脳脊髄炎が発現することが判明したため、平成17年5月、他都府県におきましては、当該ワクチンの積極的勧奨を差し控えることになったものであり、その後、新たな乾燥細胞培養ワクチンが開発され、その安全性が確認されたため、平成22年4月に積極的勧奨が再開されたところでございます。

○花崎委員
次に、副反応の発生状況についてであります。日本脳炎のワクチンに限らず、予防接種は、一定程度副反応が発生するのはやむを得ないものと承知しております。日本脳炎の予防接種における副反応の発生状況は、どのようになっているのかお伺いいたします。

○江上地域保健課長
副反応の発生状況についてでごいますが、先月10月28日に国で開催されました厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会等合同会議におけます副反応報告状況によりますと、日本脳炎ワクチンの副反応は、昨年11 月から本年7月までに国に報告された症例が160件、うち報告した医師が重篤と判断した症例が32件となっており、その率は10万回接種当たり1.1件で、不活化ポリオワクチンの約2倍、子宮頚がんワクチンの約2分の1となっているところでございます。

副反応の主な症状は発熱や発疹などとなっており、重篤な症状といたしまして、手や足の力が入らなくなるなどの症状を呈しますギラン・バレー症候群やけいれんなどの神経系障害などもあると承知してございます。

○花崎委員
次に、区域指定の方法について質問いたします。冒頭にも申し上げましたが、全国で北海道だけが定期接種を行っていませんが、どのような手続を経て決めているのかお伺いいたします。

○江上地域保健課長
手続についてでございますが、日本脳炎につきましては、他の定期接種と異なり予防接種法及び施行令に基づき、都道府県知事が疾病の発生状況等を勘案いたしまして、予防接種を行う必要がないと認められる区域を指定できることとされているところでございます。

この規定に基づき、道では、北海道感染症危機管理対策協議会に医育大学や衛生研究所などの専門家で構成いたします感染症流行調査専門委員会を設置し、検討をいただいた上で、本協議会の御意見をいただき、これを踏まえまして、法に基づき北海道全域を予防接種を行う必要がない区域に指定しているものでごいます。

○花崎委員
質問としては最後になります。
日本脳炎の予防接種については、副反応のリスクもあり、効果も一生持続するものではありませんが、その一方で先ほど申し上げた理由などにより、医師会からは予防接種を実施すべきとの意見もあることを承知しております。

また、仮に実施することになれば、実施主体となる市町村の負担も考える必要があると思います。

こうしたことから、道内での日本脳炎ワクチンの定期接種化の検討に当たっては、医師会など関係者の参加のもと行うべきものと考えますが、今後の道の対応についてお伺いいたします。

○三井委員長
保健福祉部長高田久君。

○高田保健福祉部長
予防接種の取り扱いについてでございますが、日本脳炎の予防接種に関しましては、国内外の人の移動を考慮しますと、感染リスクを回避するため実施すべきであるとの御意見がある一方で、東北以北では日本脳炎が発生しておらず、原因となるウイルスの抗体を保有する豚の状況や副反応の発生状況などを踏まえると、慎重に検討すべきであるなどさまざまな御意見があるものと承知いたしております。

このため、今後におきましては、委員御指摘のとおり専門的見地から実務的な検討を行う感染症流行調査専門委員会の委員に新たに医師会などの参加を要請し、定期接種の安全性や必要性などについてより幅広い見地から検討をいただくこととしてまいりたいと考えております。

○花崎委員
予防接種の定期接種化に際しては、感染のリスクをどう見るかということや、ワクチン接種による副反応の発生状況などの安全性の問題、さらには、実施主体となる市町村の体制整備や財政面での問題などさまざまな問題があると思います。
日本脳炎はウイルスに感染して脳が冒される病気で、発生状況は幸いにして少ないもののかかった人の約20%は死亡し、約20%は治った後に機能障害や手足の麻痘が残ると言われている恐ろしい病気であります。

ぜひとも幅広い方々の御意見を伺いながら、道民の方々が安心して暮らしていけるよう慎重な議論を行っていただくようお願いして質問を終わります。